ニンジンの皮をかぶった侵略者

一人暮らしが寂しいので、切り取ったニンジンのヘタの部分を水につけ、きゃろぴーと名付け可愛がっている。無事に鮮やかな緑が芽生え、すくすく成長しているのは喜ばしい限りだ。

しかしきゃろぴー君、きみ成長が速すぎやしないかい?

私の記憶ではきゃろぴーが誕生したのは先週の金曜かそこらだ。日曜日に気づいて写真を撮った時には既に4cmは芽が伸びていた。

現在水曜日、気になる長さはなんと14cm!なんとまあ。

誰か教えてほしい。ニンジンとは3日で10cmも伸びるものなのか?これが普通の成長速度なのか?この調子できゃろぴーが成長すると我が家はニンジンに支配されることになる。一緒に過ごし始めて1週間たたずして、もう帰宅するのが恐ろしい。こいつ見るたびにデカくなっていやがる。

真に恐ろしいのは、私は出かけるときカーテンを閉め切って行くということだ。つまりきゃろぴーは薄暗い部屋の中ですくすく成長していることになる。

お前、光合成はどうした?ネットによるとニンジンは強い日光が必要らしいじゃないか。さてはお前ニンジンじゃないな?

いったい何の栄養をもって成長しているのだきゃろぴーは。不味い水道水しか与えてないのに。友人が言うところには、きゃろぴーは私の生命力を吸収して成長しているらしい。どうりで最近食欲が収まらないわけだ。

はじめは、名前なんて付けたら愛着がわいていざとなった時食べられない。そう考えていた。食べられない。それは事実だ。しかしわいたのは愛着ではなく恐怖だった。